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    No.11
視覚障害者の使う教科書

 見えにくい人が見やすい教科書と、点字で学ぶ教科書といろんな種類の教科書があるよ。それぞれどんな工夫がなされているか、聞いてみたよ。
   ブラインまん!
新学期になって、友達が教科書を学校から持って帰ってきたよ。
でも、他の人と違うみたいなんだ。どうしてだろう。
質問するルーメン
 飛んできたブラインまん はい!ルーメン。

ルーメンの友達が持って帰ってきた教科書は「拡大教科書」じゃないかな。
見えにくい人が使う、文字や図を拡大して、見やすいよう工夫してある教科書の事だよ。

 拡大教科書と通常教科書の比較(文字の大きさとレイアウトが異なっています)
   そうなんだ。
他の人と違うみたいなんだけど、勉強する内容も違うのかな。
あせっているルーメン
 質問に答えるブラインまん   そんなことないよ。基本的に内容は同じなんだ。
でも、見えにくいからって、ただ拡大すればいいかっていうと、違うでしょう。
文字間や行間が広がりすぎて見えにくくなることもあるからだよ。文字を見やすいサイズにして、図や表の位置もレイアウトが工夫されているんだ。

 小・中学校で使われている検定教科書はすべて、それぞれの教科書会社で「拡大教科書」が作られているんだ。 
残念だけど、高等学校で使われているものは、すべてではないけどね。
 表紙は「拡大版」の文字がある程度で、他は変わりません。
    よく見てみると、教科書の上と下に別々のページ数が書いてあるよ。  不思議に思っているルーメン
 一所懸命説明するブラインまん  そうだね。通常版の教科書と一緒に使うとき、同じ内容が書いてあるページを表しているものと、「拡大教科書」のページを表しているもの、両方がいるんだ。一緒の教室で勉強するとき、「どのページを開けて、どこを見て」って言うと分かるでしょ。

 それに、「拡大教科書」は1ページの内容が数ページにわたって書かれてあることがほとんどなんだ。だから、「22-1」って書いてあると、「通常版の教科書の22ページの1枚目」という意味になるんだね。
 拡大教科書には上下2つのページ数が表わしてあります。二か所にページ数が書いてあります。
   じゃあ、一般の教科書よりも大きかったり、厚かったりする教科書になるのかな。  考えるルーメン
 手を振るブラインまん  大きすぎたり厚すぎたりすると使いにくいよね。だから、大きさは一般の教科書と同じくらいのサイズで、1冊を数冊に分けてあるんだ。

 使う人の見え方によって、文字のサイズもいろいろあるんだよ。
拡大教科書と通常教科書の厚さ比較(ほとんど変わりません)拡大教科書と通常版の教科書を並べてみても、1冊あたりの大きさも厚さもほとんど変わらないね。
指さし説明するブラインまん
  通常文字が見えにくく、点字もまだ上手に読めない人のために、「デイジー教科書」っていうのもあるんだ。

デイジー教科書」は教科書の内容を音声で伝えてくれるもので、CDみたいに聞くことができるんだ。専用の機械や、パソコンやipadで専用のアプリを使って再生するんだ。見出し機能やしおりを付けることができたり、パソコンやipadの専用アプリを使うと、文字も拡大されるんだよ。とても便利だね。

 「デイジー教科書」について詳しい情報が知りたい人は、
「デイジー研究センター」http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/ に
アクセスしてみるよいいよ。

専用機械でデイジーを使っているところ
   「デイジー教科書」かあ。途中で見えにくくなったりした人は、点字もすぐに読めないから大変だもんね。点字の勉強をしながら、「デイジー教科書」を使うと、教科の勉強もみんなと一緒にできるね。

 点字を使って勉強する人の教科書はどうなるの?
 汗をかいているルーメン
 指を指して説明するブラインまん  内容は基本的に一般の教科書と同じだよ。でも、点字の特徴を考えて工夫されているんだ。
 
質問するルーメン どんな工夫?
あ、「拡大教科書」みたいに、1冊を数冊に分けてあるんでしょ。
でも、点字の特徴ってなんだろう。
 笑っているブラインまん  やわらかい表紙だと点字が折れ曲がって読めなくなるよね。だからハードカバーの本みたいな厚い表紙に守られていて、3~4cmくらいの厚さになるよ。
 もちろん分冊にしてあって、教科によっては5冊以上になることも多いんだ。
   重そうだね。それに、厚いと持ち運びが大変だね。
でも、筋トレと思えばいいか。
 納得するルーメン
 指を指して説明するブラインまん  ハハハ、力持ちになっちゃうかもね。

 それから、点字を使って学習する人は、まず点字を書いたり読んだりする方法を学ばないといけないよね。
 点字だけじゃなくて、「点図」と言って凸凹の点で作られた図形や地図を読み取って理解する勉強もするし、筆算が難しいからそろばんを使った計算の練習もするんだよ。
 だからそのための、独自の内容の教科書もあるんだよ。
  考えるルーメン すごい、教科だけじゃなくて、いろいろな勉強もしなくちゃいけないんだね。
 でも、漢字を書いたりして形を覚えなくていいなんて、うらやましいなあ。
「略字」の例を表しているよ。 「and」を点字で表すと 「   」となるけど、 「略字」を使うと 「 」の一文字で表すことが できるんだ。 指を指すルーメン英語の「略字」の例を挙げています。 
ほほえむブラインまん  そうかな。
漢字の勉強もするし、英語ではアルファベット以外に少ない文字で表記できる、「略字」も覚えなくちゃならないんだよ。
   英語の単語のほかに「略字」も覚えなくちゃならないの?わー大変だ。

 そうそう、理科の実験とかどうするの?実験は危ないから、しないのかな?
 指を指して説明するブラインまん  そんなことないよ。
しっかり理科の授業には観察や実験もあるよ。
点字教科書には、一般の教科書に載っていない実験も載っていて、自分で観察や実験ができるように工夫されているんだ。
   ええ、見えなかったら色が変わったのとかわからないでしょ。
どうやって実験や観察をするの?
 困っているルーメン
 笑って説明するブラインまん   色の違いを音で知らせてくれる機械や目で確認できなくてもさまざまな方法で確認できる器具もあるんだよ。
 先生たちもいろいろな工夫をして授業をしてくれるよ。
 
   へえ、どんな授業をしてるんだろうね。僕も参加してみたいな。  感心するルーメン
 汗をかきながら説明するブラインまん  点字教科書は単純に点訳(普通の文字の文章を点字にすること)するだけじゃなく、分かりやすくするため、不要なものを削ったり、付け足したり、書き直したりしてある、とても手のかかっている教科書なんだ。
 新しい教科書が出るときに、専門家が集まって1年くらいかけて編集作業をするんだって。
 
   すごいね。見えにくい、見えない人が使う教科書って、ただ大きくしてあったり、点字に直してあるだけと思っていたよ。

 でも、教科書って、作る会社によってたくさんの種類があるって聞いたけど、大丈夫なの?
 納得するルーメン
 指を指して説明するブラインまん  点字教科書は新しいものを作るとなると、編集作業がとても大変なんだ。
 だから、現在日本のように一教科で何種類も教科書があると、使われているすべての教科書を点字教科書にするのは難しいんだ。

 学んでいる学校で使っている教科書が、自分に合う拡大教科書や点字教科書がない場合もあって、その時は「プライベートサービス」を利用して自分にあう教科書を作ってもらわないといけないんだ。

 「拡大教科書」に関する詳しい情報や、使う人に合わせた「拡大教科書」を作ってもらう場合は、こちらに問い合わせてみるといいよ。
 
全国拡大教材製作協議会ホームページ http://www.kakudaikyo.org/
   それは大変だね。
自分の見え方に合う教科書ってことは、もしかして、一般の教科書はタダでもらえるけど、お金を払わないといけないんじゃないの?
 疑っているルーメン
 ほほえむブラインまん  義務教育は教科書が無償だっていう制度があるから、お金の心配はしなくていいよ。
 それに、障害のある児童生徒に対してかかる教育に関する必要なお金は、保護者の収入にも関係するけど、「就学奨励費」といって補助する仕組みがあるんだ。高校生の拡大教科書、点字教科書の購入も、この仕組みを使うと補助金が出るんだ。

 詳しいことは文部科学省のwebページを見てみるといいね。
 
   よかった~。見えにくい、見えないから余計にお金を払わなきゃならないなんて、変だもん。  笑っているルーメン
 飛び去るブラインまん  そうだね。誰でも同じように学べるように、たくさんの人が集まっていろいろな制度を作って、見えにくい人も見えない人も同じように教科書を使って学べるようになっているんだ。

 みんな、教科書は大切に使ってね~。
 


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