ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて 気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか 苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな そもそもが ひよわな志にすぎなかった 駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄 自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ