聴覚障害者の日常生活用具

 聴覚障害者は日常生活の中でいろいろと困っていることがあります。困ることの多い順にあげてみます。
   ・湯がわいたかどうかを知る
   ・火災(かさい)、地震(じしん)などの緊急(きんきゅう)情報(じょうほう)を知る  
   ・テレビやラジオなどを視聴(しちょう)する
   ・ドアチャイムの音を聞く  
   ・家から電話をかける
   ・朝決めた時間に起きる
   ・赤ちゃんの泣き声を聞く       等となります。
 
 では、聴覚障害者はどのようにして,これらの生活上の不便(ふべん)をカバーしているのでしょうか。

これらの不便をカバーし、日常生活をより便利なものにするために、『日常生活用具』があります。
これは障害者自立支援法によって、在宅の障害(児)者に対し、日常生活が便利に過ごせるように、もらったり借りたりできるものです。日常生活用具は以下のように定義されています。

  1. 安全で簡単に使えるもので、実際によく使うもの
  2. 日常生活が便利になり、ひとりでの生活を助け、社会参加しやすくなるもの
  3. 製作や改良、開発するときに障害に関する専門的な知識や技術が必要で、日常生活品として、たくさんの人にあまり知られていないもの

聴覚に障害がある場合、下の表のようなものをもらったり借りたりできます。

日常生活用具名 説明 イメージ 対象者 耐用年数
聴覚障害者用
情報受信装置


文字放送アダプター、
文字放送デコーダー
CS放送「目で聴くテレビ」を受信(じゅしん),
火災時(かさいじ)の緊急(きんきゅう)信号(しんごう)の受信(じゅしん)
テレビ番組の文字放送を受信(じゅしん)する装置(そうち)。【テレビ番組の内容や出演者のことばを字幕で読み取ることができます】
※災害時に地域別の緊急信号を受信し光警報機で知らせます。
聴覚障害者であって、本装置によりテレビの視聴が可能になる方 6年
聴覚障害者用
屋内信号装置


お知らせランプ、
システム5、
ブルブルライト、
バイブラーム
目覚まし時計など
電話、来客、アラームなどをランプ等で知ることのできる機器

サウンドマスター(ベビーシグナル),
聴覚障害者用目覚まし時計,
聴覚障害者用屋内(おくない)信号灯(しんごうとう)も含まれる。
起床(きしょう)時刻(じこく),出入り口呼び鈴,赤ちゃんの泣き声、電話やファックスが届いたこと等を光や振動(バイブレーター)で知らせる装置(そうち)。 聴覚障害2級以上(聴覚障害者のみの世帯およびこれに準ずる世帯で日常生活上必要と認められる世帯) 10年
聴覚障害者用
通信装置


テレホンエイド など
一般の電話に接続でき、音声の代わりに文字等で連絡を取るための機器
聴覚障害者または発音・言語に著しい障害を有し、コミュニケーション、緊急連絡等の手段として必要と認められる方 5年
携帯用会話補助装置 シンボルを選んだり文字のボタンを押したりすることでコミュニケーションを補助する道具です。 音声機能または言語機能障害者か肢体不自由者であって、発声、発語に著しい障害がある方 5年
ファクシミリ
(貸与)
一般商品として市販されているものの中から,本人が使いやすいものを選択(せんたく)できます。障害者が容易に使用できるものです。 聴覚・音声機能障害または言語障害3級以上であって、コミュニケーション、緊急連絡等の手段として必要があると認められる方
福祉電話
(貸与)
筆談、ひびき、ふれあい
音が大きくなったり、文字でやり取りできる電話。 外出が困難な障害のある人に電話を貸して、基本料金を援助するものです。 難聴者または外出困難な身体障害者で、障害者のみの世帯等。原則として2級以上。

日常生活用具給付対象ではありませんが、その他に便利なグッズがあります。

名称 用途など
電話音量増幅器 電話機本体と受話器の間に接続し、音量・音程を調整できます。周りの雑音をカットして相手の声がより鮮明にきこえるようになるボタンがついています。
携帯型電話音量増幅器 受話器にゴムバンドで装着します。公衆電話、家庭用電話機などの受話器に取り付けることができます。
T−コイル対応誘導コイル 携帯電話、子機などに接続して受話器に耳を当てなくても会話を楽しめます。
無線式呼び出し装置 知らせたい人を振動で呼び出す装置です。
振動式電子体温計 検温終了を体温計が震えて知らせる電子体温計です。
振動式タイマー 振動、光、音によるカウントダウン終了のお知らせ方法が3つあり、同時作動も可能です。
web−shake DVD等に字幕をつけて鑑賞できるインターネット無料字幕配信サービス
http://web-shake.jp



情報を知るための腕時計(うでどけい)
〜腕時計型の聴覚障害者用屋内(おくない)信号装置〜

玄関チャイムやでんわ・FAX携帯電話の着信(ちゃくしん)など、
いろいろな情報を感知(かんち)することができる腕時計です。
  
基本セット

    腕時計型 または、携帯型(けいたいがた)受信器1
    玄関用(げんかんよう)送信器 1
    FAX用送信器 1


玄関・FAX・目覚まし・電話が分かります。

 液晶部(えきしょうぶ)にメッセージ(「ゲンカン」「ファックス」「メザマシ」「コール」)が文字表示されます。
 受信器は腕時計型と携帯型があります。送信器は持ち運び自由で、電池を入れて病院や銀行などの窓口に預(あず)け、順番がきたら呼んでもらうことができます。(送信器には、呼び出し用のボタンが付いています。

 通信(つうしん)距離(きょり)は電波(でんぱ)や周囲の状況(じょうきょう)によりますが、腕につけた状態で送信器から受信器までは約150〜200mです。
 また、日常生活防水(ぼうすい)使用で、ちょっとした雨や洗顔(せんがん)くらいなら大丈夫です。(入浴や水泳はさけてください)
 受信器は、目覚まし時計としても使え、自分で止めるまで振動(しんどう)し続けます。
 また、携帯電話用送信器の専用マットに上に携帯電話を置くだけで、電話の着信・メールの着信も感知できます。
 
振動アラーム機能(きのう)付腕時計(強い振動で起こす腕時計)もあります。 










病院の待合などで呼び出してもらうと便利です。










FAXがきたことがすぐ分かります。

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