
耳垢(みみあか)の話
みなさんは、耳垢(みみあか)がどうやってできるか知っていますか?
耳垢は、外耳道の入り口近くにある耳垢(じこう)腺から出る粘液(ねんえき)(粘りけのある液体)と耳の内側のはがれ落ちた皮膚(ひふ)や空気中のほこりなどが混(ま)ざってできます。耳垢ができるところには毛が生えていて、その毛が動いてある程度は自然に掃除されます。しかし、耳垢をためたままにしておくと、耳垢が耳の穴をふさいで(『耳垢(じこう)栓塞(せんそく)』といいます)聞こえが悪くなります。また、イヤーモールドに耳垢がたまることでも聞こえが悪くなりますので、耳やイヤーモールドの掃除(そうじ)をきちんとしましょうね。
耳掃除のポイント |
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@ |
回数は週に1回を目安に |
A |
耳の穴の入口近くをふき取るだけで十分です。
※奥までしすぎると、鼓膜などを傷つけてしまいます。 |
B |
綿棒でするときは、奥に押し込まないように注意 |
耳垢には、湿ったもの(ウェット型)と乾いたもの(ドライ型)の2種類があります。これは、遺伝によって決まります。日本人はほとんどの人(80%くらい)が乾いた耳垢だそうです。あなたの耳垢はどちらのタイプですか?
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みなさんの中には、耳のトラブルを経験したことがある人がいるかと思います。今回の「みみより」では、聞こえとも関係のある「耳の病気」についていくつか紹介します。
耳垢栓塞 |
耳垢腺(汗腺の一種)から出た粘液が脂やはがれ落ちた皮膚と混じって固まったものを耳垢といいます。
耳垢はふつう自然に外耳道へ出ますが,出ずに外耳道をふさいだ状態を耳垢栓塞といいます。
軟性耳垢で外耳道が完全に塞がれると、30〜40dBの伝音性難聴になります。
<対処法>
穴の奥の高くなったところより手前を綿棒でふきとるように掃除します。
押し込んでしまったり、鼓膜や外耳道を傷つけたりする恐れがあるので,医師に取ってもらいましょう。 |
急性中耳炎 |
風邪をひくなどしてのどや鼻に炎症をおこしたりすると,細菌などが耳管から入って中耳の粘膜が炎症をおこすことです。
<対処法>
よく完治しないと慢性中耳炎や滲出性中耳炎になるおそれがあります。耳がおかしいと感じたら早目に耳鼻科に行きましょう。 |
滲出性中耳炎 |
風邪やアレルギー性鼻炎などで鼻水や鼻づまりが続くと、耳管の開きが悪くなり、鼓膜の内側(中耳)に液がたまります。特に、鼻すすりは上咽頭に強い陰圧をつくりだし、耳管がつぶれた状態になるので、滲出性中耳炎の原因になります。痛みはありませんが耳がふさがった感じになります。耳鳴りがしたり、耳がふさがった感じがする。
<対処法>
この場合も耳鼻科に行きましょう。 |
突発性難聴 |
原因は不明。突然聞こえが悪くなる。耳鳴りがしたり、耳がふさがった感じがします。大部分はどちらか片方の耳におきます。 |
低音障害型
突発難聴 |
原因は不明。突然聞こえが悪くなる。聴力検査では低音部だけ聞こえが悪い。 |
音響外傷 |
コンサートなどで大きな音を聞き続けたり、耳の近くで大きな音を聞いたりすることで、音を感知する器官が損傷しておこります。 |
このように耳の病気を紹介しました。それぞれの対処法はありますが、病気にならないような身体つくりのために、日ごろからバランスのとれた食事をとることも必要かもしれませんね。
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人間の耳垢には乾燥したものと湿ったものとがあります。日本人を含むアジア系の人々は乾燥した耳垢の人が多い傾向があります。ヨーロッパ系の人々は湿った耳垢の人が多く、その耳垢には油分が含まれているため外からのウィルス等の侵入や増殖を防ぎ、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、ぶどう状球菌、コリネバクテリウム、エシェリヒア属大腸菌などの細菌がもとで起こる病気(感染症)から体を守ってくれます。しかし、乾いた耳垢だと油分が少ないため、ウィルス等の侵入や増殖を防ぎきれず病気(感染症)になりやすくなってしまいます。もし乾燥した耳垢の人の耳にウィルス等が侵入した場合、その状態で耳の中を不潔にしておくとウィルス等が増殖しやすくなります。
ここで耳からの感染の可能性がある病気(感染症)をいくつか紹介します。主なものとして、インフルエンザ、レジオネラ症、麻疹、耳下腺炎、外耳炎、シラミ、肺炎、ぶどう状球菌感染症、連鎖球菌感染症、結核、などがあります。痒み、腫れ、痛みだけの病気や、心臓や肝臓にまで細菌が侵入し重症化する病気、場合によっては死に至る病気もあります。原因は様々ですが、耳の中が汚れていることにより痒みなどが発生し、そこをかいて傷になり、細菌が侵入して病気を発症することが多いようです。特に抵抗力が低い人は感染しやすいようです。
みなさんも、こうならないためにも日頃から、耳や補聴器・人工内耳の手入れを怠らないように気をつけてください。
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