耳垢(みみあか)掃除(そうじ)のお話


耳あかの正体(しょうたい)
(がい)()(どう)から出た分泌物(ぶんぴつぶつ) これらが()ざったものが耳あかです。
○古くなった耳の中の(ひょう)() 耳あかにはドライタイプウェットタイプがあります。日本人にはドライタイプが多いそうです。
○外から入ったほこり

 みなさんは,耳垢(みみあか)がどうやってできるか知っていますか?
耳垢は,外耳道の入り口近くにある耳垢(じこう)(せん)から出る粘液(ねんえき)(粘りけのある液体)と耳の内側(うちがわ)のはがれ落ちた皮膚(ひふ)や空気中のほこりなどが()ざってできます。耳垢ができるところには毛が()えていて,その毛が動いてある程度は自然に掃除されます。



   耳あかの役割
○殺菌(さっきん)()(よう)  耳の中を守る役割(やくわり)()たしています。
○耳の中にうるおいを(あた)え,傷つきにくくする

 耳垢には,湿(しめ)ったもの(ウェット型)と(かわ)いたもの(ドライ型)の2種類があります。これは,()(でん)によって決まります。日本人はほとんどの人(80%くらい)が乾いた耳垢だそうです。あなたの耳垢はどちらのタイプですか?
 湿(しめ)った耳垢(ウェット型)には,油分(ゆぶん)が含まれているため外からのウィルス等の侵入(しんにゅう)増殖(ぞうしょく)(ふせ)ぎ,耳を保護する働きがあります。
  しかし,乾いた耳垢(ドライ型)だと油分が少ないため,ウィルス等の侵入(しんにゅう)や増殖を防ぎきれず病気(感染症(かんせんしょう))になりやすくなってしまいます



耳掃除をしないと… 気をつけ ましょう! 耳掃除をしすぎると…
耳あかがたまって,耳の穴をふさいでしまう。 耳の中の表皮を傷つけてしまい,耳だれが出る。

たまった耳あかが石のように(かた)くなり,耳の中の表皮を傷つけてしまう。
慢性(まんせい)湿疹性(しっしんせい)(がい)()(どう)(えん)を引き起こす()(のう)(せい)がある

  耳垢をためたままにしておくと,耳垢が耳の穴をふさいで(『耳垢栓塞(せんそく)』といいます)聞こえが悪くなります。また,イヤモールドに耳垢がたまることでも聞こえが悪くなりますので,耳やイヤモールドの掃除(そうじ)をきちんとしましょうね。



耳掃除のポイント
回数(かいすう)(しゅう)に1回を()(やす)

耳の穴の入口近くをふき取るだけで(じゅう)(ぶん)です。
※奥までしすぎると,()(まく)などを傷つけてしまいます。
耳かき・綿棒(めんぼう)は、奥に押し()まないように注意
子どもやペットがいる場所ではしない。
    〈子どもやペットにぶつかり,鼓膜を(やぶ)る事故が多い。〉
子どもが見ている前ではしない。
    〈子どもが大人のまねをして,鼓膜を破る事故が多い。〉

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みみそうじに使う道具の紹介

いろいろな綿棒  特徴のある綿棒を紹介します。

スパイラル綿棒 綿球が大きい綿棒 ベビー綿棒
(特徴) 凹凸で汚れをしっかり取ります。 (特徴) しっかり水分を吸収します。 (特徴) 綿球が細く、肌の弱い人でも安心です。
黒綿棒 耳カッキーナ
(特徴) 汚れがはっきりわかります。 (特徴) 耳穴の壁面に密着しながら汚れをしっかり取ります。

いろいろな耳かき  特徴のある耳かきを紹介します。

ライト付き耳かき らせん式ゴムの耳かき
(特徴) 先端が光り、耳穴の中がよく見えます。 (特徴) ゴムの摩擦抵抗で汚れを取ります。
病院でも, 耳掃除をして もらえます!
                        ここで紹介したものは、高等部においてあるよ!
いろいろ試して自分にある綿棒や耳かきを見つけよう

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耳の病気

みなさんの中には、耳のトラブルを経験したことがある人がいるかと思います。今回の「みみより」では、聞こえとも関係のある「耳の病気」についていくつか紹介します。
 

耳垢栓塞(じこうせんそく) 耳垢腺(じこうせん)汗腺(かんせん)の一種)から出た粘液(ねんえき)が脂やはがれ落ちた皮膚と混じって固まったものを耳垢(みみあか)といいます。
耳垢はふつう自然に
外耳道(がいじどう)へ出ますが,出ずに外耳道をふさいだ状態を耳垢栓塞といいます。
軟性耳垢で外耳道が完全に
(ふさ)がれると、30〜40dBの伝音性難聴(でんおんせいなんちょう)になります。
対処法(たいしょほう)
(あな)(おく)の高くなったところより手前を綿棒(めんぼう)でふきとるように掃除します。
 ()()んでしまったり、鼓膜(こまく)や外耳道を(きず)つけたりする(おそ)れがあるので,医師に取ってもらいましょう。
急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん) 風邪をひくなどしてのどや鼻に炎症(えんしょう)をおこしたりすると,細菌(さいきん)などが耳管(じかん)から入って中耳の粘膜(ねんまく)が炎症をおこすことです。
<対処法> 
よく完治(かんち)しないと慢性(まんせい)中耳炎や滲出性(しんしゅつせい)中耳炎になるおそれがあります。耳がおかしいと感じたら早目に耳鼻科(じびか)に行きましょう。
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん) 風邪やアレルギー性鼻炎(びえん)などで鼻水や鼻づまりが続くと、耳管(じかん)の開きが悪くなり、鼓膜の内側(中耳)に(えき)がたまります。特に、鼻すすりは上咽頭(じょういんとう)に強い陰圧(いんあつ)をつくりだし、耳管がつぶれた状態(じょうたい)になるので、滲出性中耳炎の原因になります。痛みはありませんが耳がふさがった感じになります。耳鳴(みみな)りがしたり、耳がふさがった感じがする。
<対処法>
 この場合も耳鼻科に行きましょう。
突発性難聴(とっぱつせいなんちょう) 原因は不明。突然(とつぜん)聞こえが悪くなる。耳鳴りがしたり、耳がふさがった感じがします。大部分(だいぶぶん)はどちらか片方(かたほう)の耳におきます。
低音障害型 (ていおんしょうがいがた)
突発難聴(とっぱつなんちょう)
原因は不明。突然聞こえが悪くなる。聴力検査では低音部(ていおんぶ)だけ聞こえが悪い。
音響外傷(おんきょうがいしょう) コンサートなどで大きな音を聞き続けたり、耳の近くで大きな音を聞いたりすることで、音を感知(かんち)する器官(きかん)損傷(そんしょう)しておこります。

 このように耳の病気を紹介しました。それぞれの対処法はありますが、病気にならないような身体つくりのために、日ごろからバランスのとれた食事をとることも必要かもしれませんね。                                        

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補聴器や人工内耳の汚れが
原因で起こる可能性のある病気

 人間の耳垢(みみあか)には乾燥(かんそう)したものと湿(しめ)ったものとがあります。日本人を(ふく)むアジア(けい)の人々は乾燥した耳垢の人が多い傾向(けいこう)があります。ヨーロッパ系の人々は湿った耳垢の人が多く、その耳垢には油分(ゆぶん)が含まれているため外からのウィルス等の侵入(しんにゅう)増殖(ぞうしょく)(ふせ)ぎ、連鎖球菌(れんさきゅうきん)黄色(おうしょく)ブドウ球菌、ぶどう状球菌、コリネバクテリウム、エシェリヒア(ぞく)大腸菌(だいちょうきん)などの細菌(さいきん)がもとで起こる病気(感染症)から体を守ってくれます。しかし、乾いた耳垢だと油分が少ないため、ウィルス等の侵入(しんにゅう)や増殖を防ぎきれず病気(感染症(かんせんしょう))になりやすくなってしまいます。もし乾燥した耳垢の人の耳にウィルス等が侵入した場合、その状態で耳の中を不潔(ふけつ)にしておくとウィルス等が増殖しやすくなります。
 ここで耳からの感染の可能性(かのうせい)がある病気(感染症)をいくつか紹介(しょうかい)します。(おも)なものとして、インフルエンザ、レジオネラ(しょう)麻疹(ましん)耳下(じか)腺炎(せんえん)外耳炎(がいじえん)、シラミ、肺炎(はいえん)、ぶどう(じょう)球菌感染症、連鎖球菌感染症、結核(けっかく)、などがあります。(かゆ)み、()れ、(いた)みだけの病気や、心臓や肝臓にまで細菌が侵入し重症化(じゅうしょうか)する病気、場合(ばあい)によっては死に(いた)る病気もあります。原因は様々(さまざま)ですが、耳の中が(よご)れていることにより痒みなどが発生(はっせい)し、そこをかいて(きず)になり、細菌が侵入して病気を発症(はっしょう)することが多いようです。特に抵抗力(ていこうりょく)(ひく)い人は感染しやすいようです。
 みなさんも、こうならないためにも日頃(ひごろ)から、耳や補聴器・人工内耳の手入(てい)れを(おこた)らないように気をつけてください。

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