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小児人工内耳適応基準が見直されました
昨年度、日本耳鼻咽喉科学会福祉医療・乳幼児委員会にて、小児人工内耳適応基準が見直されました。
大きく変更されたところをまとめると、次のようになります。
変更前 | 変更後 | |
術年齢 | 原則1歳6か月以上。 | 原則1歳以上(体重8Kg以上)。 |
聴力、 補聴効果と 療育 |
A:両耳平均聴力レベル90dB以上。 B:6か月以上最適な補聴と療育 によっても音声が聞き取れず、 補聴器のみでは音声言語の獲得 が不十分と予想される場合。 |
A-@:両耳平均聴力レベル90dB以上。 A-A:6か月以上最適な補聴器装用を行って、装用時45dBより改善しない場合。 A-B:6か月以上最適な補聴器装用を行って、装用時の語音明瞭度が50%未満の場合。 B:音声を用いて学習を行う小児に対する補聴の 基本は両耳聴なので、人工内耳の両耳装用が有効な場合にはこれを否定しない。 |
解説によると、手術年齢を1歳としたことについて、「早期からの音声による言語情報の入力が行われることが推奨(すいしょう)され、聴覚障害児に対する人工内耳が一定の効果を示してきていることを踏まえて、身体が小さい子への麻酔・手術の問題や、正確な聴覚評価が困難ではあるが、このような問題点と人工内耳によって得られるメリットを比較した上で、手術を選択する上での判断の基準としてこの適応基準を定める。」とあります。 また、幼小児の手術については、「手術の最終判断は当人の自由意志によることが最も望ましいが、幼小児の場合は保護者によって判断が下されることが多い。その場合にも本人への説明のために最善の努力が必要である。」「人工内耳が音声コミュニケーションを用いる選択である以上、手話などの音声を用いないコミュニケーションの選択についても可能な限りの情報提供が行われるべきである。」「進歩が著しい再生医療や遺伝子治療についても術前に説明することが望ましい。」とあります。 詳しくは日本耳鼻咽喉科学会のホームページをご覧ください。 |
2014.6の情報