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きこえにくいことで困っている子に、
こんなこと していませんか?

生活の中で注意することチェック項目 チェック
大きい声で耳元で叫ぶように話をする ○or×
後ろを向いているとき、動きながら話をする ○or×
口元を隠したまま、話をする ○or×
子どもと離れたまま、話をする ○or×
ゆっくりと一音ずつ区切って、話をする ○or×
簡単なことばばかり使って、話をする ○or×
話していることが分からないから、いい加減に返事をする ○or×
話をするときは、口を見せれば通じると思う ○or×
話し合い活動のときも、そのまま参加させている ○or×

心あたりはないですか?

次のことに気をつけてみましょう。
きこえにくいことで困っている子が少しでも聞き取りやすくなります。

1.どのくらいの大きさの声が聞き取りやすいのか、聞こえにくさはさまざまです。

突然、耳元で大きな声や音が聞こえると、耳が痛くなります。
きこえにくいことで困っている子も、大きすぎる声や音を聞くと耳が痛くなります。
どのくらいの大きさの声が聞き取りやすいか、困っている子に聞いてみましょう。

2.きこえやすい距離や位置にも工夫があります。

きこえにくいことで困っている子は、きこえ方もさまざまです。
片方の耳が聞こえやすかったり、きこえにくい声や音の高さが違います。
教室の席も「前の席なら大丈夫」ではなく、聞き取りやすい席は困っている子によって違います。
先生の声がきこえやすく、まわりの友達の動きが見える席がいいかもしれません。
どの席がいいのか聞き取りやすいか、困っている子に聞いてみましょう。
また、野外ではまぶしいと口元や顔の表情が見にくいので、聞き取りにくくなります。
話す人の後ろから光が当たらないように位置を工夫しましょう。

3.静かなところでは、話している人の声が聞き取りやすくなります。

きこえにくいことで困っている子は、まわりの雑音があると聞き取ることが難しくなります。
雑音で会話がかき消されて、何といっているか聞き取れなくなることがあります。
できるだけ静かにして、耳から入る音がよく聞こえるようにしてあげましょう。
教室の中は、たくさんの雑音があります。みんなで気をつけてあげましょう。

4.きこえにくいことで困っている子は、口の形から会話の意味を判断することがあります。

きこえにくいことで困っている子は、口の形を手ががりに何といっているか分かろうとします。
口元が見えないと何といっているか、十分に伝わらないことがあります。
口元をはっきりと動かし、子どものほうをむいて話しをしましょう。
もちろん、耳からも声を聞かせてあげましょう。

5.きこえにくいことで困っている子は、会話のリズムも大切な情報なのです。

ゆっくりと話すことは大切ですが、音を区切ってしまうと、言葉の持つリズムが消えてしまいます。
言葉には音の高さや強弱、テンポがあります。
イントネーションが変わると言葉の意味が変わることがあります。
「りんごを食べた」を「り・ん・ご・を・た・べ・た」と発音すると、わかりずらくなるのです。
「りんごを・食べた」と単語で区切って話しましょう。

6.きこえにくいことで困っている子は、意識しないと言葉を覚えたり話したりするのが
  難しいことがあります。

きこえにくいために自然に言葉が耳に入ってくることが少なくなります。
本人が意識しないと、会話の中で使われている言葉が正確に聞き取れない事があります。
言葉や表現方法を知らずにおかしな言い方をしてしまうことがあるかもしれません。
丁寧に話したり、確認したりすることで、聞き取ることのできた言葉を覚えていきます。
なかなか通じないからと簡単な言葉ばかり使っていると、新しい言葉を覚えることができません。
子どもに応じた言葉を使いましょう。
理解しにくいようなら言葉の意味を簡単に説明してあげましょう。

7.自分の声が聞き取りづらい子は、上手に話ができないことがあります。

まわりの音だけでなく自分の声も聞き取りづらい子は、話しをすることが苦手です。
うまく発音できないこともありますが、繰り返し話すことによって、少しずつ上手になってきます。
初めから話せないと決めてしまわないようにしましょう。
聞き取りづらいときは「もう一度」と言って上手に話せるようにうながしてあげましょう。

8.会話の手がかりが分かるとスムーズに会話に入ることができます。

話の内容が分かっていると、聞き取りもスムーズに行うことができます。
はじめに会話内容の手がかりになるものを示してあげると、どんな話か想像しやすくなります。
例えば、紙や手のひら、黒板、空に文字を書いたりしてみましょう。
また、具体的なものを指差してあげるのも効果的です。

9.きこえにくいことで困っている子は、話し合いなどたくさんの人と話すときには、
  話の内容をつかむことが難しくなります。

話し合い活動など一度にたくさんの人が話すと聞き取ることが難しくなります。
どんなことで話し合うのかテーマを知らせてあげましょう。
誰がどんな発言をしたか知らせると、会話に入りやすくなります。
少人数の話し合いなら、ホワイトボードや大きい紙などに書き込みながら行うと、わかりやすいでしょう。

きこえにくくてもできること、やりたいことはたくさんあります。
自分のことをわかってもらえないと不安に感じているかもしれません。

周りの人がその子がきこえにくいことで困っているということを
分かってあげられるようにお互いにコミュニケーションをとってみましょう。

きこえにくいことで困っている子は一人一人原因や状態が異なります。
耳の病気や心の悩みなどに原因があることもあります。

悩んでいないで、相談してください。     
長崎県立ろう学校 TEL 0957−52−2444
FAX 0957−52−3453

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