閉校の挨拶

第8代校長  真木 正英

 本校は、昭和26年、長崎西高等学校の式見分校として設立され、昭和44年に長崎北高等学校に移管、定時制から全日制への変更を経て、昭和59年に長崎式見高等学校として独立しました。以来24年間の歴史を歩んでまいりましたが、児童・生徒の急激な減少という状況の中、今年度末をもって閉校を余儀なくされました。今日までの歴史の重さと、2,400余名の同窓生の皆様の母校に向ける心情を思う時、残念というより悲しい思いを抱いているところです。

 分校時代からの歴史を振り返ると、まず挙げられるのはラグビー部の活躍です。男子生徒のほとんどを部員とし、昭和52年から約10年間に、県新人戦や秋季戦での優勝、花園大会県予選での準優勝など数多くの好成績を残し、その快挙は本校だけでなく地域の誇りであったとも聞いています。また、平成元年に同好会から始まった和太鼓部の活動も忘れられません。創部以来、地元の祭りや催しで力強い演技を披露し、平成16年夏には上海での国際青少年音楽交流会に参加して見事な演技で観衆を魅了し、特別賞を受けました。
 
 また、本校は、少人数の学級編成などできめ細かい丁寧な教科指導を行うほか、地域の清掃活動や老人ホームでのボランティア活動など、心の教育も実践し、社会に出ても立派に自立し活躍できる人間の育成に努めて参りました。

 5年前に閉校が決まって以来、私たちは寂払い思いに負けることなく、卒業生の皆様が刻まれた素嘱しい歴史に恥じない学校づくりをして有終の葉を飾ろうと決意しました。特にこの1年間は、最後にふさわしい年にするため、生徒と教師が一丸となって諸事に取り組みました。最後の体育祭では、生徒全員が各自の役割をしっかり果たして大会を成功させました。加えて多数の地元の方々も来校され、生徒と共に綱引きや玉入れなどの競技に参加して大会を盛り上げて下さいました。地域の皆様の温かい御支援の気持ちに対し深く感謝した次第です。また、文化祭でも、良い思い出創りが有終の美を飾ることになると考え、熱心に取り組み立派な文化祭を作り上げました。さらに、遠足、球技大会、地区のぺーロン大会などでも教師と生徒が一緒に汗を流して思い出創りに努めました。最後の卒業生は、この3年間の思い出と充実感に浸って巣立っていくことと思います。

 終わりに、57年間の長きにわたり、本校を支え式高生を慈しみ育てて頂きました地域の皆様、御指導御支援を頂きました県御当局、歴代校長をはじめ旧職員の皆様方の御努力に敬意と感謝の意を表しますともに、本校に関係した全ての皆様方の今後の御多幸をお祈りいたしまして、惜別のご挨拶といたします。

※閉校の挨拶は、「閉校記念誌」の巻頭言から引用しました。